前回、邪馬台国の所在地の謎を解明するには、『魏志倭人伝』が書かれた当時のシナの地理観・世界観・天下観を確認してみる必要性に触れました。
筆者は、邪馬台国の所在地を検討する場合は、これから述べる内容を一丁目一番地として、すべての研究者が共有すべきではないかとさえ思っています。
『東夷伝』執筆当時の古代シナ人の世界観
古代シナの世界観について、仁藤敦史氏と吉松大志氏の論考を参考にしながら纏めてみます。
仁藤氏は邪馬台国の位置は、倭人伝が含まれている『魏志東夷伝』全体の「序」に書かれた当時のシナの地理観・世界観・天下観を前提に考える必要があるといいます。