理系脳で紐解く日本の古代史

既存の古代史に挑戦!技術と交通インフラを軸に紀元前2世紀頃から6世紀頃までの古代史を再考する!

3 『記・紀』に向き合うスタンス

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 当ブログは、筆者の関心事の備忘録でもあります。したがって、その都度思いついたことを徒然なるままに綴っていきます。

 まずは、最も古い歴史書と言われる『古事記』『日本書紀』に向き合う、筆者のスタンスを述べることにします。

 『古事記』は712年、『日本書紀』は720年に編纂されたと言われています。
 一般的には、古事記の「記」と日本書紀の「紀」を併せて、『記紀』と記すことが多いですね。しかしその記述内容や編纂の目的はかなり異なっているので、筆者は『記・紀』と記すことにしています。つまらないこだわりかもしれませんが……。

 古代史をテーマとする研究者は、学界・在野を問わず『記・紀』くらいは熟読しておくべきでしょう。記・紀』も読まずに古代史を語る考古学研究者もいるようですが、これは最低限の必要条件です。

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2 今の古代史に抱く「違和感」

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 筆者は長年にわたって『古事記』『日本書紀』を研究し、さらに5年かけて、全国津々浦々に鎮座する「一宮」103社をすべて参拝しました。ちょっとした自慢でもあります。

 日本各地には 8万社以上もの神社が存在します。その中で歴史が古く格式の高い神社は「一宮」と呼ばれ尊崇されてきました。それらをすべて巡拝する「全国一宮めぐり」は、数ある「全国〇〇〇めぐり」の中でも、もっともチャレンジングで達成困難なものでしょう。

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1 ブログ開設にあたって

 

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 はじめまして。
 これから、『理系脳で紐解く日本の古代史』というタイトルで連載を始めます。

 日本の古代史には、定説として確定している出来事はあまり多くありません。科学的な根拠、証拠が少ないためですよね。
 一方、情緒的に語られる通説異説や、さらに神話を過度に織り込んだ奇説(トンデモ古代史)がたくさん存在します。まさに百家争鳴です。
 いったい真実はどこにあるのでしょうか。
 筆者は「理系脳」をキーワードとして、この紐解きにチャレンジしていきます。

 

 本稿では、次のような思いで「理系脳」「理系的視点」という言葉を使っています。

「理系脳」「理系的視点」とは、
 自然の姿や、モノ・技術の有無、客観的な事実に即して論考を進め、そこに個人的嗜好や特別な意図や空想などを持ち込まず、論理に飛躍がないこと。


 このような姿勢で古代史に向き合えば、情緒的に支持されている通説や、興味本位のトンデモ古代史は一掃されるのではないでしょうか。それらが「骨太の古代史」として一本に収斂していくと嬉しいですね。

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