2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
前回記した「漢字伝来」の補足になりますが、西暦57年の漢委奴国王印(金印)について若干言及します。 この金印は、封泥のためのもの、駅鈴のような権威を表すものなどの諸説があり、奴国王が後漢の皇帝からもらったものとされています。 1784年、博多から…
文字の古史料 日本人が文字に接触してから使いこなすまでの歴史は、おおよそ以下のような経緯をたどったと想定されます。 まずは接触のエビデンスです。• 西暦57年===志賀島で発見された金印に刻まれた「漢委奴国王」の文字。•1~2世紀====弥生遺跡…
人類進化の大きな画期となった「ことば」の発明 人類は、「ことば」が使用される以前、意思疎通を表情、身振り、叫び声でやり取りしていたわけです。ノンバーバルコミュニケーションですね。 アメリカの心理学者メラビアンが実験したところによると、意外な…
先日、当ブログに関し知人から声がかかりました。えらいことを始めたね、何でまた、と……。 実際に他人の目に留まったかと思うと、初回の宣言(2019年3月28日)が格好良すぎて気恥ずかしい......。その時にブログの趣旨は記したので、今回は、執筆に到った些…
天武天皇が、『古事記』と『日本書紀』の編纂をほぼ同時に命じたことについて、次のように説明されることが多いですね。 「古事記は国内向けで天皇家の私的な歴史書であるのに対して、日本書記は国外を意識して編纂された公式の歴史書である」。 筆者は、こ…
『古事記伝』について 『古事記』の注釈書である『古事記伝』を著した本居宣長は、それまで埋没して顧みられなかった『古事記』を江戸時代末期・近現代に蘇らせた功労者です。 『古事記伝』がなければ、現在の古事記研究は存在しなかったでしょう。