理系脳で紐解く日本の古代史

既存の古代史に挑戦!技術と交通インフラを軸に紀元前2世紀頃から6世紀頃までの古代史を再考する!

44 3、4世紀頃までの古代道

f:id:SHIGEKISAITO:20200106160044j:plain      <山越えの径>

 『記・紀』を読むと、弥生時代から5世紀初めまでの日本列島で、軍隊や権力集団が遠征したり広域移動する記事が頻出します。難所に遭遇したかのような描写もありますが、その詳細には触れておらず、大集団にしては大した困難もなくスムーズに移動できたようにも受け取れます。
 実態はどのようなものだったのでしょうか。

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43 飛鳥、奈良時代の道路

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 すでに何度も触れてきましたが、政治勢力統一のプロセスを検討するに際して最大の与件となるのは陸上交通です。
 今回から、第23回ブログで予告した「古代の道路」について掘り下げていきます。3、4世紀以前の道路に言及する前に、まずは飛鳥・奈良時代の道路について概括します。

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42 ギリシャの空間構造に似た日本列島の地形

  f:id:SHIGEKISAITO:20200111173543j:plain <ギリシャの地形図> 

ギリシャの空間構造に似た日本列島の地形
 前回のブログで言及した「脊梁山脈の縦貫・分断された国土・狭く少ない平野」に関連して、松木武彦氏による興味深い論考を見つけました。当ブログにとって大切なポイントなので、少々長くなるが要点を記してみます。 

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41 脊梁山脈と細分化した空間

f:id:SHIGEKISAITO:20200106152747j:plain <脊梁山脈>

魔法の絨毯に乗って移動?
 筆者は声を大にして言いたい!
 3、4世紀頃までの自然の姿を考慮しない古代史は、すべて真の古代史ではないと……。
 研究者が提示する多くの古代史は、当時の自然の姿に無頓着か、それにはあえて目をつむっているようです。もちろん『記・紀』においても同様です。

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40 日本海側の潟湖


f:id:SHIGEKISAITO:20200111212248j:plain <菜の花>

 第38回ブログで言及した潟湖について、もう少し掘り下げてみます。
 潟湖は砂州によって外海との出口をふさがれた湾のことで、海跡湖またはラグーンとも呼ばれます。
 交通の要衝地であった潟湖の周辺は、比較的広い平野が形成されているため、古くから生活の場としても発展してきました。

 

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