理系脳で紐解く日本の古代史

既存の古代史に挑戦!技術と交通インフラを軸に紀元前2世紀頃から6世紀頃までの古代史を再考する!

36 日本列島人はどこからやって来たのか(1)

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 第27回のブログでは、3万年前の航海を再現する実験考古学について言及しました。ホモサピエンスが南西諸島方面から日本列島へと航海した謎を解くためのプロジェクトでしたね。

 ここであらためて、日本人の祖先いつ頃どこからやってきたのか、その歴史を、2回に分けて概観してみたいと思います。
 当ブログは「紀元前2世紀頃から紀元後6世紀頃まで」を対象にしているのですが、大和政権成立までのプロセスにおいて、弥生人による縄文人駆逐説、騎馬民族征服説、徐福渡来説、古代朝鮮優位説などがいまだに語られることも多く、弥生時代以前からのひと模様に言及することを避けて通れないと思うからです。

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35 テレビ番組でのたったひと言にがっかり! 

f:id:SHIGEKISAITO:20200111090632j:plain <水仙>

 NHK・BSプレミアムの人気テレビ番組「英雄たちの選択」を見ていて、少々気になったことを記します。
 放映されたのは昨年4月24日で、タイトルは『追跡! 土偶を愛した弥生人たち』でした。

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34 独立発達か伝播か

f:id:SHIGEKISAITO:20200105120202j:plain <福寿草>

 日本の古代史を論考する場合、「伝播の力」を軽視すると大怪我をします。統治や征服などの政治的手段によらなくても、たとえ人が移住しなくても、細々とした交通路や粗末な交通手段さえあれば、チャレンジャーたちの旺盛な好奇心によって文化・宗教・技術は伝播しました。当然、モノも移動しました。

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33 暦の伝来

f:id:SHIGEKISAITO:20190906155448j:plain <初日の出>
 令和2年を迎えました。年始にちなんで暦について書いてみようと思い、正月早々いろいろと調べてみました。
 古墳時代の初め頃の日本には「暦」といえるようなものはなく、四季の変化を感じ、春になれば種をまき秋になれば収穫する、また月のめぐりを数えておよその季節を知るというような素朴な生活を送っていたと思われます。
 日本人が時間の流れを定量的に把握したり、それを表現できる「暦」の存在を知ったのはいつ頃からでしょうか。

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